私は高山病って酸欠のことでしょ?くらいにしか思ってなかった。
ペルーに行くことを決めてからいろいろ勉強(っていうか情報収集)をした。
すると知らないと重篤な結果になってしまう、ということと
あまり知りすぎてナーバスになってもイケナイ、ということを知った。
※下記は私が参加した「風の旅行社」さんの情報を参考に私の言葉にさせてもらっています。
医学用語などはわかりづらいので、かなり簡略な説明になっていますので、
いい足りないこともあるかもしれません。また、もしも間違った記載がありましたら教えてください。

高山病って?
私たちが普段生活する標高から高い高地へと移動するしていくと体内に「酸欠状態」が起こります。
つまり酸素が薄い高地では体内に取り込める酸素の量が不足して、人体にある反応が起きてきます。
■一般的な症状
手足のむくみ・めまい・体のだるさ・吐き気・頭痛・のどあれなど、風邪に似た症状
これらの症状は「風邪かもね」なんて見過ごしていると大変重篤な症状になる場合があります。
■重い症状
昏迷または昏睡、起立不可能、大量の痰、呼吸困難

脳浮腫〜(脳が必死になって酸素を求め血液を脳に運び入れるために脳がむくみ圧迫する障害)
肺水腫〜(肺が低酸素と血流量を同じにしようと静脈の流れを制限、
        すると動脈に圧がかかって血管を破壊し肺に血液が流れ込む)
高山病は人により症状が違い、体調により同じ人でもその症状が現れたり、現れなかったりで、
年齢・性別 ・体力等に関係なく多かれ少なかれかかるものといわれています。
想像してください。高度が一気に3,000m以上上がり急激な環境の変化が起こるわけです。
身体が何らかの反応を示すのが当然だと容易に想像できますよね。
ですから、症状が出ないからと言って安心することは出来ません。
「風邪っぽい」なんて勝手な診断で見過ごすと、重病、命取りとなるのが高山病なのです。
おっと、言っておかなくちゃならない。
高山病、とはいっても病気ではありません。あくまでも「反応」「症状」だと思ってくださいね。

どのくらいの標高からが心配?
標高3000mくらいより発症しやすいらしい。でも、2000m台での高山病の報告も多数あるのだそう。
(4000m以上ではほぼ当然発症の危険があると思っていいようです。)

発症する原因って?(かなり簡略説明ですけど)
1.高地は大気の中の酸素量が低下する。すると赤血球などが増えて血液がドロドロになる。
2.高地で動くと身体から水分がうばわれてしまい、血液がドロドロになってしまう。
3.高地は寒いので身体は温めようとエネルギーを使う。それは酸素を燃やすので血液がドロドロになる。
血液がドロドロになるってことは、酸素を運ぶ力が弱まるということ。
それがつづくと上に書いた重篤な症状に陥る可能性が高くなる、ということなのだ。

どんな症状?
○典型的な軽い症状・・・2500mくらいから出る可能性がある。
頭痛〜頭が重い感じや、ずーんと痛い。
食欲不振〜消化器障害で胃がむかついたり、食欲はあるんだけど受付けなかったり、吐き気がする。
不眠〜ベッドに入っても夜だというのに寝付けない。眠りが浅い。寝ていてもふと目を覚ます。
麻酔作用〜昼間なのに眠気がおそう。
胸の圧迫感〜息をス〜っと吸ってみても胸が膨らむ感じがしない。
むくみ〜顔や手足がむくむ。手がポワ〜ンとしている。
放屁〜つまりはオナラです。消化器系の働きが悪いために消化不良でオナラがでる。
脈拍〜平地よりも早くなる。
○ちょっと甘くみられない症状・・・4500mくらいから出る可能性がある。
頭痛〜締め付けられるような痛み。ガンガンする。
食欲不振〜食べられなくなり、食べても吐く。下痢したり軽い腹痛を感じる。
咳〜特に夜寝てからの咳が止まらなくなる。
倦怠感〜意欲が無くなり何をするのも面倒になる。行動中に力が入らなくなる。
むくみ〜顔や手足がむくむ。
尿量の減少〜尿の色が濃くなってくる。
目がうつろ〜目の焦点が合わず、うつろになる。
○とても危険な状態
肺水腫〜平常時もひどい呼吸困難。息がゼイゼイ・・・ゴボゴボと音がする。多量の泡状や血痰をともなうことも。
脳浮腫〜激しい頭痛と嘔吐。意識混濁。幻覚など異常行動をとる。失禁、歩行困難など。
眼底出血〜眼底出血=脳血管にも出血があると思われる。視野が狭くなり視界に暗点が現れる。
チェーンストーク呼吸〜1分間に1.2回の呼吸。呼吸停止などが瞬間起きる。

予防!高度に順応するためのたいせつなことは?
ここまでで「けっこう厳しいじゃん」と思ってもらえれば成功なのです。
甘くみちゃいけないってことがわかった後、それを軽減する方法を考えて欲しいから。
「じゃあ、どんな予防策が?」といいますと…
呼吸を気にして!
(過呼吸)
酸素が足りないのだからきちんといっぱい吸おう。
歩きながら〜「吐く」ことを意識しよう。吐けば吸える。口をすぼめてふーっとね。
休憩するなら〜腹式呼吸で深呼吸。鼻で吸って口でプーッと長ーく吐く。
※低地や順応後の過呼吸はしないほうがよい。
スロゥを心がける。 もうとにかくゆっくり動く。牛歩!過呼吸を意識しつつこれ以上出来ない位ゆっくり。
高地についてすぐは症状が出ていないので絶対早動きをしない。
翌日に疲れをぜーったい残さないことを心がける。
遠慮なく休め! 自分のペースを守り休憩を取ること。
グループの場合、周囲に合わせがちになるが、絶対に無理せずマイペース。
もしも、周りに迷惑をかけるとわかりきっている場合は涙をのんでバスやホテルに残る選択も大切だ。
散歩をする というのは、宿泊地についてすぐにホテルでグーグー寝るのはご法度だ。
とりあえず昼寝をせず体を動かしてみよう。順応を早める手助けをしてくれる。
ただ、これも疲れを残さない程度に。
水分をとる。 血液ドロドロのくだりに書きましたけど、水分を不足しないように喉が渇いてなくても意識的に摂りましょう。利尿作用のあるお茶やポカリスエットなどならなおさら良い。
ペルーではコカ茶がホテルでもレストランでも無料でおいてある場合が多いのでどんどん飲もう〜!
十分な睡眠をとる。 ただし、夜!寝るということは意識的な呼吸をやめてしまうということで、心配機能が低下しているので体内低酸素状態になるということ。できるだけ昼間は活動、夜は睡眠、というメリハリをつけると良い。
酒・タバコを控える。 肝臓や肺などの内臓も機能低下している。二日酔いなどもってのほかだ。
とにかく身体に優しく、を心がけよう。
薬を服用 ただし、頭痛薬は痛みを取り除いても症状の進行度合いを測れなくなるので要注意。利尿作用ということで服用する利尿剤は、水分を補給と並行しないと血液ドロドロの要因となる。酸素を運ぶ赤血球の造成のためにビタミン剤・プロテイン・カルシウム・鉄剤なども有効である。
考えすぎない これは私も言われて「?」だったんだけど、平地に立ってみてはじめて理解できる。
思いつめちゃいけない。「頭痛いかも」「じゃ、少し動くか」とか、気を軽く持つことだな。

対策!かかっちゃった、さぁ、どうする?
○とにかく深呼吸(腹式呼吸)
 かなり改善される、と私は思った。
ホテルなどにある高濃度酸素を吸入させてもらう。
 「Oxygen」が酸素という英単語。「オキシジェン」
 私はこの英単語がわかんなくて「Air」という言葉と「酸素を吸っている私」の絵を組み合わせて
 頼んだ。フフフフ、これでも通じた。

 ただし、吸いすぎは高度順応に関しては解決にならないので5分程度にしておく。
 私の体験談で言えば、ホテルによって頑なに時間を制限する。
 たとえば、「5分吸う」「10分休む」「5分吸う」「10分休む」「5分吸う」「10分休む」というホテルもあれば
 「3分吸う」「・・・?」と思っているとそれでおしまいで絶対くれないホテルもあった。ポリシーか・・・?
○高度を下げる
 可能なら低地に降りる。
 軽度の急性高山病ならば500m高度を下げるだけで症状が軽減する場合も多い。
○薬など
ダイアモックス
 現地の薬局でも買えるらしいが、日本の病院で処方してもらったほうがなんとなく安心・・・。
 緑内障の薬でもあり、「睡眠時無呼吸症候群」の治療薬でもあるらしい。
 要は眠っている時に意識的に呼吸をしなくなるので呼吸推進の力を持つこの薬を飲むといいらしい。
 朝と寝る前に各250mg服用。副作用は手足のしびれが少し。利尿作用があるからトイレに行きたくなる。
 ということは水分をたっぷり補給しないと血液ドロドロを誘発する。
 病院で処方してもらうと保険がかかって500円くらい(7日分)、保険がかからないと8000円くらいかな。
アスピリン
 私は服用しなかったのでなんとも言えないが、欧米人などはコレだけでぜんぜんへっちゃらな人が多いと聞く。

※薬剤には必ず副作用があるといっても過言ではないのです。
いずれも「このページを読んだから」というのではなく、自己の責任において十分調べて納得してから服用しよう。
・・・つまり、私は副作用のことなども知った上で納得して服用しました。ここには詳しい副作用については
一切記載してませんので、きちんと理解して当事者の自己責任であることを了承してください。

私の感想は?
旅行記に時間や標高との関係からの症状を感想として記載しますので読んでくださいね。
2003年9月ペルー・メキシコ旅行記>>

■行く前の私の体力、体調
  ・運動は日常ほとんどしない。(20歳頃から4.5年は水泳をやっていた。まぁ、バリバリ泳ぐことはできる方)
  ・動悸することが多い。ほうっておくとおさまる。
  ・頭痛はたまにある方。顔も上げられないほどの頭痛のときはEVEを飲んで寝て治す。

私は旅行前にあまりにいろいろ調べすぎてナーバスになってしまいました。
出発前には気を取り直しましたが・・・。知ることは大切だけど、思いつめない方が楽しく行けますよ。
日本人はたいていかかると言ってもいいらしいです。
どんな健康体でも若くてもかかるし、老人だからかかるというわけでもない。
私は・・・かかりました(^_^)典型的な軽い症状。酸素ボンベのお世話にもなりました。
でも、元気に帰ってきました。ちゃんとわかっていれば重篤な症状になることもありません。
楽しんで旅行するためにご自分でもいろいろ調べてみましょうね〜。